こんにちは、茜丸代表取締役社長の北條竜太郎です。
あんこ、餡を辞書で調べてみました。
- アズキ・インゲンなどの豆を煮てつぶし、砂糖や塩を入れ、さらに加熱して練ったもの。菓子・汁粉などに使う。豆をつぶしたままのものをつぶし餡、皮を取り除いたものをこし餡という。あんこ。「―パン」
- 餅(もち)やまんじゅうの中に詰めるもの。1のほか、調味した挽(ひ)き肉・野菜など。
- くず粉やかたくり粉を加えてとろみをつけた汁。「―かけ蕎麦(そば)」
- 広く、物の中に詰めるもの。あんこ。
デジタル大辞泉より
ということです。あんこ、餡といえば職業柄、甘いあんこのことしか考えないのですがよくよく考えたら、肉まんに入ってるミンチの豚肉もあんこ、餡と言います。あんこ、餡とは小豆に限らず何かを潰したものと言えそうです。
あんこは遣隋使として小野妹子を中国に派遣した古代から歴史が始まるといわれており、現在私達が食べている加工品としての和菓子の原型は平安朝初め仏教の伝来とともに中国大陸からもたらされた唐菓子にあるとされています。
「饅頭」にあんこを入れ始めたのは室町時代の頃。中国から饅頭が伝わったようですが、中に入れるものは肉類中心。しかし仏教では肉食を禁じていたので、お寺では肉のかわりに小豆を使うようになったそうです。とはいえ、当時は砂糖が無かったため、塩味のあんこだったようです。
その後室町時代後期から南蛮貿易によって砂糖が輸入されるようになると、あんこに砂糖をいれるようになったそう。しかし、最初の頃は砂糖は高級品だったため、室町時代には茶道とともに菓子文化が貴族や一部の上級役人の間で広まり、そして江戸時代に入りようやく今日のように庶民の味として一般に広まるようになってきたのです。
あんこ、餡といいますと、大部分の方は小豆を使った粒あんや、こしあんを想起されると思いますが、実際には当社では小豆、えんどう豆、白手亡豆、虎豆、黒豆、金時豆、など6種類もの雑穀類を使用したあんこを製造しています。さらにグレード別に産地や品種の異なる豆類も適宜使用していますので、もっと種類のある豆類があります。また、あんこの中にも季節感を感じさせるものが多数あるなど、ヒトコトでは括れない多様な風味・味わいがあります。もともとあんことは肉であり、コーヒーや夏みかんのあんこなどがあっても何ら不思議ではありませんし、原材料が肉→豆に変化したあんこの歴史を紐解いてもバリエーションがこれだけあることは、全く不思議でないということになります。
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